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題　『ダレニモウバエナイモノ〜転がすその先〜』

Ｆ0サイズ　18cm×14cm

古代エジプトでは、太陽を崇める習慣がありました。

太陽の象徴である糞の中から生まれてくるため、太陽神「ケプリ」の生まれ変わりだとされ、「スカラベ」と呼ばれるようになりました。「スカラベ」には「聖なる甲虫」という意味があります。

何故、その場ですぐに食事をせず別の場所まで逆立ちをしながら脚で糞を転がすのか。

それは、他の敵が奪おうと近付いてくるので、転がして動き続けて、安全な場所を探して確実に食べるのだ。また単に食べる為だけでなくメスと出逢えれば、一緒に運び、それ自体が後の生命誕生に役立つ。

さらに、どうして道に迷うことなく糞を運ぶことができるのか不思議に思いませんか。

夜空を模擬するためにプラネタリウムに天の川を投影して動きを観察したところ、道に迷うことなく運ぶことができたとのこと。

しかしいくつかの明るい星だけを残し天の川を消した場合は、回り道をしてしまい時間がかかったそうです。

すなわち天の川を頼りに糞を運んでいました。なんと神秘的なのだろう。

どうして、僕は、ふんころがしと太陽を描いたのか。

それは、人間も同じと思ったからです。

人は、皆、太陽（生命、夢、目標、大切にしたいこと）を抱えて生きている。

しかし、それは、他人にとっては、単なる糞なのかもしれない。

人には、その人の全ては、分からないし。
断片的な一部しか見えないから仕方がない。

だから、人は、人が大事にしていることを、すぐに否定し、蔑み、馬鹿にする。

ふんころがしのストーリーのように、その人のストーリーを知れば、一人ひとりが大事にしている太陽を否定せず、尊重できるだろう。

ふんころがしは、太陽を手放せば死んでしまう。
人間も手放した人は、死んでしまう人も少なからずいる。

この絵を見た方や、お迎えされた方にも、そのように太陽を手放さず、道に迷わずに生きて頂きたいです。

#絵　#絵画

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